2話「虐ゲラレル覚悟」
月イチの、2002年へのトリップの時間ですw
初期のオタク生態漫画のノリが楽しいけど、その中身には時代の流れを感じるなぁ。
2話は、笹原が覚悟を決めて現視研に埋まっていこうとするのと同時に、現視研がどんなサークルなのかが明らかになる。
扉絵はバービー人形で、制服と私服が左右に。春日部さんを表してる?
(以下、バレあり)
冒頭、学内で久我山とふと目が合っても流しちゃう笹原。久我山も素知らぬふり。
このよそよそしさ。打ち解けていないオタクのコミュ障っぷりが表れている名シーンだと思う。
自分も似たような体験の心当たりがあって、読むたびに心がチクチク痛くもなるのだけれど……w
自分は現視研は合わない、と思っている笹原。
笹原自身は高坂のような垢抜けた友人関係のもとでエンジョイしたかったようだけど…。
高坂の人あたりの良さには安心しつつも、現視研の3人には馴染むまでいかないでいる。1話ラスト(ガンダムネタ)で喝采を得たというのに。
新しい環境で、他人と深く関わり合うことにまだ不慣れというか。
笹原の中で変な3人で括られている斑目、田中、久我山。彼らと「同類」であることに抵抗がある。
春日部さんの生息地域はブティック。ナウいヤングwwwである。
景色のコマで道路が石畳っぽい舗装。原宿がそんな感じだったはずだけど。どこかな?
「そんな大学で若ぇ男女がする事なんてひとつしかないじゃん?」
この頃はこういう事を言う子だったんだよなぁ。品がないw
まだ素行の悪そうなギャル気質が抜けてない感じ。
「何であいつらあんなにゲームばっかするんだろ?」に、彼女とオタクは相容れない存在であることが示されてる。
一方、部室で語らう斑目たち。
アニ研が高坂を勧誘しているとの話題。
「アニ研の近藤は俺にこう言った 現視研なるモノが存在していること自体……! 何かの間違いなのだ!!」
久我山と田中のツッコミにある通り「王立宇宙軍 オネアミスの翼」が元ネタ。
田中がアニ研から流れてきた(コスプレに予算を割けない、合意の上での移籍)との情報がさらっと出て来て、現代視角文化研究会が名前の割にたいしたことはしていないことが伺える。
そして斑目の「俺の前世はヘビだからな」
キタ━━━━━━(・∀・)━━━━━━!!!!
このキャラ作りw
笹原が高坂に誘われ、彼の部屋を訪れた時のモノローグ。
「俺に足りないのは覚悟だ」
げんしけん初期は、オタクを表す名セリフが多い希ガス。
次回の買い物での、斑目を表す「値段を見ない」も、斑目を通して覚悟をキメているオタクの姿を言い表している。
無印げんしけんは、オタクの世界を知らない&理解してない読者に、こいつらがどんな生き物なのかを分かりやすく伝えている。
この初期のオタクの生態を見せる展開こそが好き、という人がいるのも頷ける。
この時期のオタク生態描写あるからこそ、後々の斑目の横恋慕や荻上と笹原のラブコメがより一層面白い。こんな奴らが陥る恋。業の深さ(荻上→巻田)とかね。
この当時のオタクは今よりも無理解の中にあり、彼らは「虐ゲラレル」存在だったんだろうか(確証はない)。サブタイトルの「虐ゲラレル覚悟」は、笹原が一端は一緒と思われたくなかった斑目たちの「同類」として踏み込む覚悟をさす。
…といっても、15年ほど経った現在のオタクが理解されてるという訳でもないけど。
2004年頃以降に「電車男」が世に出て、オタクに対する見方は少し変わったかも知れないが、「萌え〜」だとかむしろ変な偏見が広がったように見えるし、当代オタクの側も市民権を得たと勘違いして恥ずかしげもなく社会の表通りを闊歩しやがる(ようにも見える)。
ちなみに、高坂の部屋中に置かれたグッズの中には、Gアーマーとか、マジンガーのフィギュア(フューチャートイズ:MAZINGER1901)が。
特にこのマジンガー懐かしい。
彼らがプレイしたり口にするゲーム。
「エスカップ3」と「COF」
エスカップは、「SNK VS. CAPCOM」の略称「エスカプ」にちなんでるっぽい。両社のクロスオーバー企画で、エスカプならSNKが制作して名前が先にでる方ね。
COFの元ネタはSNKの「ザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)」なんでしょう。斑目の「95で」みたいに年度別で発売されているし。
COFならCはクラウン(Crown)かな。
それにしても、仲間の家に集まってコンシューマーゲーム大会というのは、今も普通の風景なんだろうか。
むしろ今は集まらなくても通信で楽しめるだろうし…(ちなみに後の「げんしけん二代目」では、部室でPSPを通信プレイする現視研の野郎どもという「ありし日の回想」があった)。
高坂がケータイでいとも気軽に斑目たちを呼んで、おまけに弁当まで買ってきてもらうという……。これは高坂だから許される感じはあるなあと思う。ウラオモテ無いし、「戦力」(by斑目)だからなw
この機に笹原は現視研に馴染もうと決心。
最初は拒んだ「同類」の中に自分も溶け込むと決めた。
その決心の現れが、高坂のもとにかかってきた春日部さんからの電話対応に出るのか。
「すみません。俺 帰るとか言い出して」
「ん? ま いーんじゃないか? ありゃ変えるべきだろう」
直後の笹原の表情は良い。
コミュニケーションが取れて、自分の判断が認められて、コミュニティの中に受け入れられている実感が出ている。
最後は「エロパソゲーをやってみたい」との自分の要望を伝えることもできた。
冒頭の久我山との目線チラ無視を思えば、この1話分でかなり成長したな笹原。
オチは春日部さんだった。
むなしい一人舞台w
コミック1巻の「その後」。
簡単な絵とはいえ1巻発売時点のキャラ絵なので、斑目のおかっぱやメガネの感じが現在に通じる絵柄(斑目の記号?)っぽくなってる。
久我山の部屋ではじめるエロゲ。「My Heart」の元ネタは「To Heart」ね。
エロゲにいちいち反応する笹原は、はじめてのプレイ(を鑑賞)に落ち着かないw
コミュ障から少し脱却したぶん饒舌なのかw
>亜柱さま